『農耕詩』第1巻序歌(訳)

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『農耕詩』第1巻序歌(訳)

1.1-23
Quid faciat laetas segetes, quo sidere terram
uertere, Maecenas, ulmisque adiungere uitis
conueniat, quae cura boum, qui cultus habendo
sit pecori, apibus quanta experientia parcis,
hinc canere incipiam. uos, o clarissima mundi 5
lumina, labentem caelo quae ducitis annum;

何が穀物を豊かにし、いかなる星座の下で大地を
耕し、ブドウを楡の木に結びつけるべきか、マエケーナースよ、
牛の世話はどのようなものか、家畜には
いかなる手間をかけるべきか、慎ましいミツバチにはいかなる経験が必要か、
ここから私は歌い始めよう。汝ら、おお、宇宙で
もっとも輝かしい光たち(太陽と月)よ。

Liber et alma Ceres, uestro si munere tellus
Chaoniam pingui glandem mutauit arista,
poculaque inuentis Acheloia miscuit uuis;

リーベルと慈愛深きケレースよ、汝らの恵みによって、
大地はカーオニアの樫の実を豊かな麦の穂に変え、
アケローウスの杯(水)は見出されたブドウと混ぜ合わされたのなら。

et uos, agrestum praesentia numina, Fauni 10
(ferte simul Faunique pedem Dryadesque puellae:

そして汝ら、農夫らに力を与える神々、ファウヌスたちよ、
(ともに来たれ、ファウヌスたちと森の乙女たるニンフたちよ、

munera uestra cano); tuque o, cui prima frementem
fudit equum magno tellus percussa tridenti,
Neptune; et cultor nemorum, cui pinguia Ceae
ter centum niuei tondent dumeta iuuenci; 15

汝らの贈り物について歌おう)、おお汝、大地はその
大いなる三叉の鉾に打たれ、いななく馬を最初に生み出したのだ、
ネプトゥーヌスよ。そして森の住人(アリスタエウス)よ、汝のため
ケーア島では三百の白い牡牛らが茂った藪を食んでいる。

ipse nemus linquens patrium saltusque Lycaei
Pan, ouium custos, tua si tibi Maenala curae,
adsis, o Tegeaee, fauens, oleaeque Minerua
inuentrix, uncique puer monstrator aratri,
et teneram ab radice ferens, Siluane, cupressum: 20

自ら故郷の森とリュカエウス山の牧場を離れ、
羊の守り手パーンよ、マエナルス山が汝の心のより所であるとしても、
好意を寄せてここに現れよ、おおテゲアの神よ、オリーブの生みの親たる
ミネルウァよ、曲がった鋤の発明者たる少年(トリプトレムス)よ、
また柔らかい糸杉を根こそぎ運ぶ者、シルウァーヌスよ。

dique deaeque omnes, studium quibus arua tueri,
quique nouas alitis non ullo semine fruges
quique satis largum caelo demittitis imbrem.

すべての神々、女神たちよ、汝らは大地を守る熱意を持ち、
蒔かぬ種から新しい実りを育て、
作物のため天から豊かに雨を降らせて下さる。

ウェルギリウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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